
定年退職後の税金、退職金に対する税金、住民税、そして、確定申告についての手続きについて。
退職金は、「退職所得」といって、給与所得とは別の基準で課税されます。しかし、長年の勤務に報いる意味で
税負担を軽減する「退職所得控除」を利用することができます。
■一時金で受取った場合
○退職金の税金を計算する
1.退職所得=(退職金−退職所得控除)×1/2
※退職所得控除は、
勤続年数20年以下の場合:40万円×勤続年数(80万円)
勤続年数20年超の場合 :70万円×(勤続年数−20年)+800万円
2.所得税額=退職所得×所得税率
3.住民税=退職所得×住民税率×0.9
4.退職手取額=退職金−所得税額−住民税
○注意点
退職金を受取った場合、原則として翌年に確定申告の手続きが必要になりますが、
退職時に会社で「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は不要です。
一般的には会社側で準備してくれるはずですが、この申告書は必ず提出するようにしてください。
この申告書を提出しないと、一律20%の所得税が源泉徴収されますので、退職後は自分で確定申告をしないと
多すぎた税金の還付を受けられません。
■年金で受取る場合
○確認しておきたいこと
1.毎年の年金額
2.受給できる年数
3.運用率
○税金
他の収入(公的年金など)とあわせて雑所得として所得税と住民税が課税されます。
○注意点
会社が破綻した場合や、本人が死亡した場合の家族への支払い方法など、
退職金の種類によって異なりますので事前に確認しましょう。
退職後は税金の申告をしなければいけないかどうかの判断は、ご自分でしなければなりません。
定年退職した年の所得税は、ほとんどの場合が確定申告をすれば税金が戻ってきます。
例えば5月末で定年退職した場合は、1月分から5月分までの所得税を源泉徴収(給料天引き)という形で納めています。
しかし、毎月の天引き額は、あくまでも「前年の所得税から割り出した概算金額」であって、確定した金額ではありません。
給与天引きで、収めすぎになる場合が多いので、確定申告の手続きをすると戻ってくるケースがあります。
もし、退職日が12月末日であれば、会社側で年末調整を行い、所得税の精算は完了しますので確定申告の必要はありません。
また、年末調整をしなかった場合でも、年内に再就職し、新しい会社で年末調整をすれば確定申告の必要はありません。
所得税は、何らかの収入を得た場合に納める税金です。今後、年金なども収入として基準金額以上であれば
源泉徴収(年金受給時に天引き)されるので、原則として確定申告の必要はありません。
しかし、収入源が年金だけの方も、次のような場合は税金が戻ってくる場合がありますので、
確定申告のシミュレーションをしておいたほうが良いでしょう。例えば、
■医療費を多く支払った場合
■自然災害等の被害があった場合
■社会保険料・生命保険料・地震保険料を支払った場合
■扶養親族等申告書を提出していない場合
など。
※雇用保険の給付金には税金はかかりませんので、確定申告の際に、収入に含める必要はありません。
また、次のように、年金以外の収入がある場合、確定申告が必要な場合もありますので、
申告時期になったら自分で計算をすることになります。
■給与収入を受けた場合
■個人事業を営んでいる(開業した)場合
■不動産等を売却した場合
確定申告をしなければならないケースがいろいろありますので、申告時期になりましたら正しく申告するようにしましょう。
初めての確定申告が不安な方、少しでも節約したい方には、こちらも参考にしてください。
確定申告の仕方
1.必要書類をそろえる
・源泉徴収票(公的年金、給与など)
・控除証明書(生命保険など
・必要経費を証明する書類
・手書きする場合は、税務署で配布されている確定申告書の用紙
など
2.申告書の作成
国税庁のHPで必要事項を入力して、申告書を作成することができます。
または、所轄の税務署に必要書類を持参して、税務署の職員の指示でパソコン入力することで申告書を作成することもできます。
なお、申告の時期になると、最寄りの市区町村役場でも、説明会を開催しますので、活用するのもよいでしょう。
3.提出時期
翌年の2月16日〜3月15日の間に、所轄の税務署に提出します。
住民税は、会社が給与から天引き(源泉徴収)して納めていましたが、
今後は納入通知書によって自分で支払うことになります。
退職した翌年6月頃、自宅に住民税の納入通知書が送付されてきますので、その納入通知書に従い納めてください。
再就職した場合は、これまでどおり給与からの天引き(源泉徴収)される場合が多いと思いますので、会社に確認しておきましょう。
○住民税は前年の所得に対して課税される税金で都道府県民税と、市区町村民税が合算されて請求されます。
○住民税は後払いシステムですので、前年の所得に対して課税されます。
○1月から12月までの1年間の所得に対して翌年の6月から翌々年の5月にかけて支払うことになっています。
○退職した翌年の住民税は、退職した年の給与にかかる住民税で、退職した後でも住民税の支払いが求められることになります。